山歩き系

2009-09-19 七倉から烏帽子岳、野口五郎岳を経て竹村新道下降その1

前日までコースを決めかねていた。情報の収集が足りなかったのだが、景気が悪いのでお金を使わないように心掛ける必要もあるためだ。今年の秋は5連休なので、山も相当込むと思った。そこでテン泊2泊で、裏銀座のスタート地点であるブナ立て尾根手前の七倉尾根から入山し、船窪岳、烏帽子岳、野口五郎岳を経て竹村新道を湯俣の晴嵐荘へ下降するコースを取ることにした。

計画では1泊目を烏帽子小屋、2泊目を晴嵐荘と考えたのだが、コースタイムに無理があるので、1泊目を行けるところまで行ってビバークも止むを得ない、と覚悟を決めた。

行ってみて実感したが、船窪小屋から烏帽子岳の縦走路は、ガイドブックの説明通り、アップダウンがありしかも片側が崩れ落ちているため、気が疲れる長い山歩きを強いられる健脚向きのコースであった。我こそは、と思う人には是非試していただきたい。なお、水場が船窪小屋のテン場しかないので、しっかりと給水しないと酷い目に遭うので気を付けて。

七倉へは、高速1,000円を利用して19日土曜日午前1時過ぎに到着。駐車場には20台以上が既に止まっていた。4時半まで仮眠し、薄明るくなってきた5時15分出発。既にタクシーが、ゲートが開くまでの客待ちをしていた。登山計画書をポストに投函。その奥にあるトイレは、大変綺麗だった。

ゲートをすり抜け、トンネルを入ってすぐ右側に七倉尾根への入山口がある。まずは、尾根に上がるまでつづら折りの急登をこなす。緩くなってくると、登山道は右の方へ向きを変える。唐沢のぞきは気が付かずに通り過ぎてしまったようだ。岩小屋は分かったが、そのまま通り過ぎた。登り始めておよそ3時間で、鼻突八丁にたどりついた。

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ここから急登し、少し緩くなってくると次第に景色が開けてくる。前方左手に槍ヶ岳の穂先がちらほら見える。振り返ると大町ダム湖だろうか、抹茶ミルクのような水面が見える。鼻突八丁から1時間ほどで天狗の庭に到着した。ここからは、高瀬ダムがハッキリと見えた。

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標高を2000m越えると、山は既に秋真っ盛りだ。

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緩くなった登山道を、立山連邦を眺めながら進んで行くと船窪小屋到着だ。およそ5時間かかった。

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本日宿泊の人や、小屋のお母さんが出てきて賑やかな休息となった。宿泊客でもない自分にも、茹でたばかりのトウモロコシを振舞ってくれたので、ありがたく頂戴した。つい長居をしてしまったが、重い腰を上げて出発することにした。小屋から船窪岳へ向かい急坂を下ると左側にテン場がある。水場は、そこから奥へさらに下ったところの、ざら場の谷の中央に樋を差し込んだところから流れ落ちている。場所はすごいが、大変おいしい水だ。

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しかし、登山道は左側が崩れ落ちている、踏み誤ってはいけない。振り返るとこんな感じ。

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しばらくして、針ノ木谷へ下る分岐に到着。ここから奥黒部ヒュッテを経由して、赤牛岳、水晶岳へ登る読売新道に行けるが、いつかトライしてみたいものだ。

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船窪岳へは、登山道を付け替えたのか、切り開かれたばかりの樹林帯の斜面を登ることになった。危険はないが、景色もないので少し寂しい。水を補給してから1時間ほどで山頂に到着した。

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山行は、ここからの登山道や景色が今までより楽しくなる。崩れかけたこんな尾根道を進んだりする。200mくらいのアップダウンとか岩場があったりで、実は結構苦しいのだが。

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そして、13時過ぎにようやく船窪第二ピークに到着した。

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休息後、第二ピークを後にしてすぐ、烏帽子小屋から出発したと思われる単独行のオヤジさんに出会った。「いやー、長かった。」とか言ってたので、不動岳までどのくらいか時間を聞くと「1時間ぐらい」とか言った。これにはだまされた<(`^´)>。不動岳へ着くまで、2時間半以上もかかってしまった。しかし、途中こんなところを通過したり、

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さらには、この先のピークを乗り越えて行かなくてはならない。

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途中、森林限界を越えハイマツ帯に入ったところで、雷鳥に出会えたのは良かった。デジカメで撮影したのだが、枯れ枝と雷鳥の夏毛の保護色が一緒になって判然としないのが残念。しかもお尻をこっちに向けて、ちっとも振り返ろうとしてくれないし。

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不動岳に着いた時には、時間も15時30分を回り、行動できる時間が残り少なくなってきた。

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太陽はまだ出ているが、日が陰れば一気に夕闇が迫って来るだろう。

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時間の猶予はあまりないが、山頂でビバークする気にもなれないので、南沢岳へ向かい、南沢乗越あたりまで進むことにした。不動岳山頂からガラ場を下降し、樹林帯に入る。途中、平らな窪地があったので先へ進むのを止め、そこでビバークすることにした。急いでテントを広げ夕食の準備にかかる。

いつもより重い荷物と長い行動のため、食欲はわかない。それでも、無理やりお腹に詰め込み、水分を多めに取って、明日の食事の準備をして就寝体制に入った。日が南沢岳の向こう側に沈むと、夕闇がすぐ迫ってきた。

登山道を歩く者もいない、真っ暗闇の山中は怖いものだが、体が疲れているため眠りに誘いこまれていった。