山歩き系

2008-05-17 八ヶ岳 西岳から編笠山を経てグルリップ

nishirindo誰が山行で「グルリップ」という言葉を使い始めたのだろうか?登山用語に「ピストン」という言葉はあるが、「グルリップ」は入山地点からルートを往 復することなく、元の場所にぐるりと回って戻ってくるルートを言い表すようだ。インターネット上では既に登山用語として定着しつつあるので、いずれ山関係 の書籍に使われることになるかもしれない。

今回は、前回に引き続き足慣らしのつもりで八ヶ岳西岳へ行ったのだが、前日インターネットで調べていると、西岳から青年小屋、編笠山を経て戻ってくるルートの記事が載っていたため、つい足をのばしてしまった。

駐車場所は少し分かりずらい。小渕沢から八ヶ岳鉢巻道路を富士見高原スキー場を越えて、左にヨドバシカメラ研修センターを過ごして700,800mぐらいのところで右折、別荘地へ入って行く。道路両脇に看板が沢山あるところで、昭島市キャンプ場の看板が目に付いた。

nishidake道なりに左へ右へ走らせて行くと、未舗装の林道になってすぐゲート(と造林小屋)があり、そこら辺が7,8台駐車できるスペースとなっている。ゲートは2つあるが、上ってきた道なりの方(造林小屋でない方)のゲートを越えて行く。

いよいよ出発、林道歩きを開始して15分前後で、左へ車幅の広さで上って行く分岐があるので、そこを登って行き、林道が左へ折れてもそのまま真っ直 ぐ進むと便所に出る。その上の林道を越えたところが不動清水だ。ここから、ようやく山歩きとなるが、後2回、林道と交差する。最後の林道は、登り始めて1 時間以上歩いてからで、山登りの最中に車の通れる道に出くわすのは、あまり嬉しくない。この最後の交差したところは、写真の通り、開けている場所で気持ち 良かった。

標高も2000mを超えると、登山道に残雪が現れ始めた。林の中、景色は殆ど望めず、ひたすら登る。登山道に少し岩が出てきたかな、と思ったところで、ようやく右に編笠山が見えた。そこから10分ほどで西岳山頂となった。

amigasa標高2398m、駐車場所が1400mぐらいで、出発してから2時間半ぐらいかかった。天気があまり良くないため、富士山や南アルプスなど眺望は、残念ながら得られなかった。

ピストンで来た道を戻るのも面白くないと思い、ここで昨日見た編笠山経由で戻る「グルリップ」を思い出し、思い切って青年小屋を目指すことにした。

登山道は残雪に覆われ、トレースもはっきりしない。途中まではテープに導かれて進めるが、所々でつぼ足にはまる。方向が権現岳へ向かっているため、いつ青年小屋の方(南寄り)になるか注意が必要である。地図でしっかりと地形を把握しておくと良い。

青年小屋でキャンプをするときの水場「乙女の水(金名水)」が、途中に現れる。その手前に、右の画像のような「絵図小屋跡」なる看板があったのだが、どんな小屋だったのだろうか?何故、小屋がなくなってしまったのだろうか?昔話に興味を持ってしまった。

西岳から青年小屋までは、1時間20分ほどだった。ここで、今日初めて人に出会った。いつもなら編笠山から降りてくるルートを、今日は登って行く。25分ほどで編笠山山頂(2523m)に到達した。

山頂には、人が10人以上いて賑やかく感じた。西岳の方を見ると、やや下方に丸い頭の三角形の山頂が見え、左側真っ直ぐに下降する稜線が素敵だ。天 気が良ければ、諏訪湖や北アルプスが望めたかもしれない。残念ながら薄雲が広がり、日が遮られ、風も強く寒かったので、さっさと下降を始めた。

amigasakako下降は、誤って小渕沢の方へ降りないよう、信濃境駅方面へ下る。岩に黄色のペンキで大きい矢印があちこちに描いてくれているので、心配はないだろう。

下りも終わりに近づいたころ、「盃流し」というところがあるのだが、ただの涸れ沢だったので立ち寄らなかった。地元の人の言い伝えがあるのか?それ とも、形状が盃のようだからなのか?小楢山へ行ったとき、母恋し路とか看板に云われが説明されており、楽しかったのを思い出し、そういうのも良いな、と 思った(山だから無い方が良い、という意見もそう思う)。

出発して6時間半ほどで、駐車場所へ帰還。この後、小渕沢道の駅にある延命の湯に立ち寄り、汗を流す。入浴後、但馬屋で牛骨塩ラーメンを食べようと立ち寄ったが、3時近かったため、準備中の看板が。残念!


駐車場出発(6:35)-不動清水(7:00)-西岳山頂(9:00)
西岳山頂(9:10)-青年小屋(10:25)-編笠山山頂(10:50)-駐車場着(13:10)