山歩き系

2010-09-11 八ヶ岳阿弥陀岳南稜から登り中央稜を下降、中央稜取付き点を確認

先週末訪れた阿弥陀岳中央稜で、中央稜末端の取り付き点がハッキリせず、支尾根から強引に登った。他の人のブログを確認すると、取り付きからは明瞭なつづら折りの登山道を登る、と記されているので、「四区」を目安にした踏み跡不明瞭な登りは正規ルートではないのだろう。

そこでもう一度確認するため、今度は南稜から頂上へ抜けた後、中央稜を下降することにした。

南稜は冬季バリエーションルートであり、無雪期でもⅡ、Ⅲ級程度ではあるが岩場の登攀があるので、登られる方は相応の準備をして望んで下さい。自分はデイジーチェーンと安全環付きカラビナの付いたハーネスと、ヘルメットを用意しました。ハーネスは、P3樋の登り口で万一スリップした場合の落下防止のため、登り口に取り付けられたワイヤーに確保を取るためです。安全ではありませんが気休めにはなります。ヘルメットは落石から頭部を守るためです。

船山十字路から左に御小屋尾根からの林道を分け、30分ほど進むと右へ入る「南稜」と標識のある入り口がある。右へ折れ堰堤の上の涸れ沢を渡り、立場山へ向かう稜線へ急登すれば、10分ほどで尾根に合流する。尾根は明瞭で、1時間ほどで立場山山頂だ。展望は残念ながら得られない。

尾根の途中で、それほど大きくない白い犬に遭遇した。吠えるわけでもなく、しばらく後ろを付けてきたと思ったら、抜き去り、こちらを何度か振り返ってその後いなくなってしまった。

立場山から緩やかな降り、登り、降りの20分ほどで「青ナギ」に出た。

青ナギを越えると、樹林帯に入り、「無名峰」まで急登となる。木々の間から左側に中央稜、右前方には権現岳から赤岳に向かう主稜線が見える。無名峰に出ると、ようやく視界が開け展望が得られるようになった。権現岳と旭岳(と思う)の間から富士山が垣間見れた。

阿弥陀岳も目前に迫ってきた。

P1の無名峰からは左へ90度折れて北に向かい、シャクナゲの朝露に濡れながら尾根を進む。P2を左側から乗越し、そしていよいよP3基部に近づく。

P3はカンテ状のリッジを登攀できるようだが、ランニングビレーを取れる支点は見当たらない。フリーソロは怖いので、とても挑戦する気にはなれない。が、パートナーがいれば挑戦してみたいものだ。

基部の取り付き点を越え、ルンゼへの下りを降りる。P3の「樋(とよ)」と呼ばれるルンゼの入り口がある。

比較対象物が無く分かり難いが、画像の高さは3mぐらい(1.5人)ぐらい、角度は水平を基準にしているのでこのまま、右上隅に鉄のワイヤーが見える。入り口は細いバンド上の末端にあり、左下はルンゼの崖が続いている。落ちれば無論タダでは済まない。

ここを乗り越してルンゼに入り、四つん這いのままU字状の崖を登って行く。上部は草付きで、踏み跡を確認しながら左上部へ進む。いよいよ阿弥陀岳山頂を見通すことができる所まで来た。

P4は、基部の左側の岩場をトラバースした後登る。トラバースする所は岩が飛び出しており、ここも危険な個所である。トラバース後の登りは、ホールドは沢山あるので困らない。が、浮石もあり、確認してから体重をかける。一旦レッジ状の場所に出て見上げれば、山頂は目と鼻の先だ。右側のもろい岩場を5,6手登り、左に巻いて上がり山頂に到着した。

天気が良く、展望も素晴らしい。岩の上で休息後、中央稜を降る事にした。西に向かって摩利支天へ伸びる稜線に入り、鉄梯子を使って岩場を乗越し、さらに左に巻いて御小屋尾根と中央稜の分岐点に着く。分岐点から中央稜に入るには、標識に従ってそのまま進み、岩場を右から乗り越す。その後暫くハイマツ帯を下降。樹林帯に入ってからも急下降を続ける。踏み跡は明瞭なので、迷うことはないだろう。上の岩壁を右から巻き、しばらくしてからルンゼを降りながら下の岩壁左から巻いて下降する。下りだと岸壁である事がよく分からない。

草付きや樹林帯を急下降し、なるくなってきたと思った所で、小さな石積みのある地点に出た。木には赤テープが巻かれていた。ここが「入中山」と呼ばれる地点だろうか?登山道はここから左寄りに付いている。先週ここへは、正面の樹林の中から飛び出したような気がする。「四区」を目安に登ると、正面の尾根からここに出るようだ。

さて、確かに登山道は明瞭だ。下降中、迷う所もなく広河原沢右股の河原にたどり着いた。が、途中赤布とかの印は無い。さらに河原からの入り口となる所にも標識などは何もない。唯一、取り付き点から河原を跨いだ反対側に、高さが3,4mはある大きな岩小屋があった。

さて、取り付き点から少し下ると踏み跡は河原へ降りる。左岸へ渡ると、踏み跡が続いていたのでそのまま下る。そして、また河原に降りた。登って来たとき、河原からここに入る入り口を示すものは、忘れ去られたような色あせたテープだけだ。

右岸に渡り返すものとばかり思い、河原を渡ってみるが踏み跡がない。仕方ないので、登山道を探しながら歩きづらい河原を下って行く。左から壁が迫り、狭く暗くなって行く。何度か右側(右岸)の草木の中に踏み込み、ようやく踏み跡らしきものを見つけ下って行く。ほどなくして明瞭となり、右側斜面から下降してくる道と合流し、しばらく歩くと二俣に到着した。

そう言えば、前回二俣を左側へ入ってしまい、そこからけちが付いてしまった。二俣を右股に入る地点には、「四区」と記された大木があるので、これを目安にするといいだろう。

ようやく、中央稜の取り付き点やその周りが把握できてきた。いずれ冬場に挑戦してみたい。

この後船山十字路へ戻り、小渕沢の延命の湯につかる。そして、但馬屋幸之助の焼き肉店で「ラーメンランチ 白(塩)」を堪能した。

ここのラーメンは平打ち麺で、特徴は何と言っても牛骨スープに牛肉のチャーシューである。野菜サラダ、漬物付け合わせ3品、ライス、コーヒーと付いて860円はお値打ちだと思う。お試しあれ。