山歩き系

2010-07-17 テント1泊爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳 その1

テント1泊爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳 2010-07-18 その2 へ進む

梅雨明け前の豪雨をもたらした梅雨前線が消え、今年も夏本番となった。先週の日帰り登山は今回の足慣らしのためだったので、無駄にはならなかったようだ。

今回は爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳を、車で扇沢から入ってのピストンだ。この時期の扇沢は、黒部や立山へ行く観光客でごった返すので、いつものように会社から戻ってからドタバタと準備をし、そのまま出発して駐車場で仮泊することにした。

このコースは、危険な個所はあるが難所は無く、登山を始めた健脚向けと言っていいようだ。扇沢から種池山荘までの柏原新道は整備が大変行き届いており、後で紹介するが長い道中を気遣ってか、コースの途中途中にポイントを設けてくれている。

種池山荘からは、爺ヶ岳、そして鹿島槍ヶ岳までの稜線が素晴らしい景色で楽しめる。最も夏の時期は、10時を過ぎると雲が上がってきて景色を遮るのが癪だが。

朝4:30起床、おにぎりを1つ食べて扇沢の駐車場を後にした。柏原新道の入り口は、扇沢駐車場からは15分ほど戻った所にある。その周辺にも駐車場はあるのだが、トイレが無いのでこちらの方にしたわけだ。なお扇沢の駐車場は、上方トロリーバス乗り場に近い2段まで有料なのでご注意を。

上空は青空がのぞいているので、期待通り梅雨明けのようだ。前日の雨で登山道は湿っており、湿度も高い感じがする。5時15分、山行届を投函し、扇沢の流水の轟音を聞きながら登って行く。テントを担ぎ上げるときは、いつにもまして登降スピードが落ちる。途中、数パーティに抜かされながら、ゆっくりと高度を上げて行く。

登り始めて40分ほどで最初のポイント、「八ツ見ベンチ」だ。八ヶ岳が見えるそうだが、往きも帰りも確認しなかった。往きは気が急いており、帰りはヘトヘトになっていたためだ(;´д`)。なお、急な登りはここで一段落のようだ。

そこから30分ほど登ると、「ケルン」と言う標識が掛かっている場所だ。鉄のアングルが箱の形で溶接されており、写真のように石が詰め込まれていた。帰りに後ろ側を見たら、「昭和45年久保田鉄工山愛好会」とか書いてあったようだ。違ったら済みません。

ケルンから20分程で「扇沢のぞき」に着く。扇沢そのものは、ここよりも爺ヶ岳の稜線から見た方が良いかもしれない。扇沢の駐車場なら、途中チラチラと何回か見える。この辺、登山道を整備されている方の登山者に対しての暖かい気持ちが伝わってくるようだ。

扇沢のぞきから30分ほどで「一枚岩」だ。登山道に、これが一枚岩の事かな、と思われる岩があったが詳細は定かでない。なお自分は、おおよそ1時間で1回休息を取るようにしている。人により、30分、40分単位の人もいると思う。柏原新道は、後者の登山者の人に丁度いいように設けられているようだ。

途中、シャクナゲが綺麗に咲いていた。

一枚岩から30分ほどで「石畳」に到着。ここからしばらく、石が敷き詰められた登りとなる。この新道を開いた人の労力は、いかほどだったのだろうか?そう言えば、誰かが「来る度にこの登山道は登り易くなっているようだ」と言うのを耳にした。

石畳を登りきったところで、尾根の脇に付けられた登山道から離れ、爺ヶ岳の山肌を巻くように種池山荘へ登って行く道となる。ここには「水平道」と名付けられていた。石畳から10分ほどだ。

更に5分ほど行くと「水平岬」となる。

数分で「大廻り」。

その先数分で「石ベンチ」となる。ここには腰掛けるのに丁度よい石が並んでいるので、休息するのに良い。登り始めておよそ3時間弱である。

石ベンチから少し行くと、「アザミ沢」という標識が転がされた場所があった。初めての残雪トラバースルートだ。

数分で「黄金岬」。夕日がきれいな所なのだろう、と思う。

いよいよ柏原新道で最大の雪渓トラバースルートに到着。黄金岬から10分ほどだ。吹き下ろす風がひんやりして気持ちいい。

15分ほどで「富士見坂」。

10分ほどで「鉄砲坂」。ここを直線的に登って行くと、種池山荘までは僅かな距離となる。

鉄砲坂を10分ほどで登り切ると、いよいよ山荘が目前に迫ってきた。高山植物があちらこちらに咲き乱れている。

8時50分、種池山荘に到着。掛かった時間はまあまあか。おにぎりを食べ、地図を眺めてこれからの事を考える。この時点では、今日中に鹿島槍へ行ってこようかな、なんて思っている。だが実際はもうばてており、冷池でそのまま爆沈となる(;´д`)。

爺ヶ岳に向けて出発した。鹿島槍方面を見ると、既に信州側から雲が湧き上がっている。剱岳は、手前でガスに覆われて見る事ができない。

爺ヶ岳の緩やかな山稜を登って行く。爺ヶ岳は南峰、中央峰、北峰に分かれており、種池山荘からの登りは、南峰の頂上を目指すことになる。南峰の頂上に着き、景色をしばらく堪能する。残雪期のルートとなる南尾根も確認できた。

雲が薄くなり、剱岳も望む事ができた。

少し下って登り返すと、15分ほどで中央峰となる。爺ヶ岳の標高は、ここにある2669mがそれのようだ。

南峰と比べて人が少なく、少し寂しい。

娘さんと来られたという、親父さんと娘さんの写真撮影を買って出て次に向かう。途中、1度は見たいと思っている黒部川下の廊下十字峡の、それに交わる棒小屋沢が眼下に眺める事ができた。画像は、翌日のものが剱岳もハッキリ見えるので、そちらに譲ります。

11時過ぎ、大谷原から登って来る赤岩尾根の分岐点、冷乗越に到着。ガスが巻いてしまい小屋は見えないが、ディーゼルエンジンの発電機が動作している音がハッキリと聞こえる距離だ。ここで軽く昼食を取った。画像は、翌日のものがハッキリ見えるので、そちらに譲ります。

ここから10数分で冷池山荘に到着。なんと、種池山荘みたいに地塘が小屋の脇にあった。

既に登る勢いは失せてしまったので、テントを張って午後の優雅な時間を過ごすことに決めた。

小屋からテン場までは、10分弱登った場所にある。自分は11番の番号札を貰い、早速場所を確保した。テン場は満杯になると悲惨なので、なるべく早めに到着した方が良い。今日は15時ごろには夕立があり、雨の中レインコートを着て設営している人たちを見かけた。ご苦労様です。本日のテン場は大盛況(45張前後)でした。

午後の時間を、まったりとテントの中で過ごし、時間がゆっくりと過ぎて行く。16時過ぎに夕食を取り、その後小屋までトイレを借りに行く。小屋では17時に夕食が始まったようだ。宿泊者が多いので、2回に分けて食事をするような放送を聞いた。

テントの中から撮った、本日最後のお気に入り画像です。

テント1泊爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳 2010-07-18 その2 へ続く


5:00 扇沢駐車場出発 - 6:05 八ツ見ベンチ - 6:35 ケルン - 8:50 種池山荘
9:45 爺ヶ岳南峰 - 10:00 爺ヶ岳中央峰 - 11:10 冷乗越 – 12:00 テント設営完了