山歩き系

2010-07-31 テント1泊 白馬三山と不帰嶮から八方へ その1

土日の休日を使って、テント担いで白馬三山を回り、翌日不帰嶮を通過して昼には八方へ下降しよう、なんて言う計画を立てた。山行から帰って来て振り返ってみると、天気が悪かった事もあるがこれはお薦めできない日程だった。山の景色を楽しむというよりピークハントと、体力がどのくらい続くか挑戦したようなハードなスケジュールだった。慰めとしては、どの程度まで行動できるかが確かめられたことか。

出発は金曜日の夜だが、白馬は遠いし駐車場となる猿倉は混雑するので、夜中の12時前には到着するようにいつもより早く出発した。途中コンビニに2件寄ったが、いずれもおにぎりやパンなど品数が無く、夏休みで人出が多くて売り切れているのか、不況で余分に仕入れないのか。

前泊を車の中で過ごし、アラームが鳴って起きると雨が降っていた。もう一眠りして6時過ぎに起きると、雨は上がり、ところどころ青空も見えたので、思い切って出発することにした。

猿倉山荘の前に仮設テントが設営されており、山行計画書の提出と雪渓のアドバイスをもらって出発した。猿倉山荘の左側から山道に入り、すぐに林道歩きになる。10分ほどで白馬鑓への登山道を左に分け、そのまま林道を進む。途中、沢に付けられた橋を渡り、歩き続けると車が止まっていた。すぐに林道は終わり、そこから山道を少し登ると白馬尻小屋が見えてきた。猿倉を出発して1時間が過ぎていた。

一休みしてさらに30分ほど登ると、いよいよ雪渓の取り付だ。支度する人たちで渋滞していたので、少し離れて準備に取り掛かる。スパッツを付け、6本爪の軽アイゼンを装着。落石注意を肝に出発する。余談ですが、アイゼンを選ぶ際、夏山の白馬大雪渓や針ノ木雪渓を登るなら、6本爪以上のアイゼンをお薦めします。歩き易さ、スリップなどでワンタッチより優れています。

アイゼンの効きも良く、黙々と登る。ベニガラ上を一列でつながって登るため、追い越すときは横に外れ、スプーンカット上の雪渓を踏み越えて進む。急な斜面を登ったところが中間ぐらいであろうか、休息する人が落石を注意されているため山側に向かってザックの上に腰を下ろしている。上方を見ると、雪渓から尾根に取り付く終了点が見えた。

吹き下ろす風はさぞや涼しいかと思えば、フェーン現象なのか生温かい。蒸し暑い中、1時間半ほどで雪渓から尾根の取り付へ移ったところで休息する。

お花は綺麗だが、この尾根は結構急できつい。途中新しく建てられた避難小屋を通過。なんかトイレみたいだ。

標高2,553m地点で休息する(写真を見るまで2,333mだと勘違いしてた)。

誰かの話し声で「ゾウ」とか何とか聞こえたので斜面の方を見ると、お花畑に「ゾウ」のような岩が横たわっていた。なるほど~、感心。

グリーンパトロールの人たちがトランシーバー片手に情報交換をしつつ、休息している登山者に植生保護の協力を依頼していた。

視界はあまり良くなく、登り始めて5時間でようやく頂上宿舎を少し登った所にある白馬岳方面と杓子岳方面の分岐にたどり着いた。

分岐でザックをデポし、水だけ持って白馬岳山頂を目指す。身軽になったせいか気分爽快だ。15分ほどで有名な(収容できる大きさで?)白馬山荘を通過、さらに15分ほどで標高2932mの白馬岳山頂に到着した。

ガスで展望はなく、東側の崖を見て「冬はここを登るのかな?」と思ったぐらいで、早々に先へ進むことにした。

高山植物は見たときは綺麗だと思っても、デジカメに収めてみるとどれも花が小さくパッとしない。でも白馬岳に来たので何かデジカメに収めなくては、と言うのが上の一枚でした(T_T)。

時刻は12時半、分岐に戻り軽く食事をして、いよいよ白馬三山の杓子岳、白馬鑓ヶ岳に向かう事にした。登山者の数も減りよーやく楽しく歩ける、と思ったが、混雑はしてないがやはり人が目に付く。今回あまり楽しくなかったのは、人の多さがあったかも知れない。人が恋しくなるぐらいがちょうど良いのだが。

杓子岳へ向かう途中、振り返ってみると久しぶりに見通せたのでデジカメで撮影。頂上宿舎裏のテン場は大盛況のようだ。今日の宿泊予定の天狗山荘のテン場は空いているといいのだが。

ガスで杓子岳は隠されており眺めはあまり良くないが、それでも稜線歩きが一番楽しい。

いよいよ杓子岳に近付くと運良く山頂が見えた。この時山頂の標識は、写真右奥の方にあると勘違いしていたのが、巻き道を進んでから山頂へ向かった遠回りの原因だ。

巻き道を進み、杓子岳から下降してきた分岐にザックをデポし山頂へ向かった。2812mの標識が立つ、何もない山頂。下は山頂を踏んだ証拠写真と言うだけ。

山頂へ向かう際の崖っぷちの登山道。なかなか迫力あり。

分岐点に戻ると時刻は14時になっていた。どうやら今宵のテン場には16時ぐらい着きそうか?そう思いつつ杓子岳のコルへ下降する。登り返せば白馬槍ヶ岳だ。

コルで一休みする。チーズをムリヤリ口に押し込み、ちょっと辛めのビーフジャーキーを食べて腹の足しにする。コルから登り始めは少しきつく、かなりお疲れの登山者の横をゆっくり過ぎて登って行く。1時間は掛らず、それでもようやくといった感じで山頂が見えた。

15時5分、寂しい山頂、2903m。

もう後は、テン場を目指すだけだ。雨が降らない事を祈りつつ、クタクタな体に鞭を打つ。ここまでずーっとそうだったが、ガラガラの登山道だがそれほど歩きづらくはなかった(翌日の不帰嶮は別格だった)。

鑓ヶ岳から降りきったところで、鑓温泉から登ってくる登山道と合流し、稜線をそのまま天狗山荘へ向かって進む。もうそろそろかな、と言うところで天狗山荘が見えた。込んでいないテン場を見てホッとしたのが、最初の感想でした。

2010-07-31 テント1泊 白馬三山と不帰嶮から八方へ その2 へ続く


猿倉P(6:20)-白馬尻(7:40)-大雪渓取付き(8:10)-尾根取付き(9:40)-
2553m(10:45)-頂上宿舎上分岐(11:30)-白馬岳山頂(12:00)-杓子岳山頂(13:45)-
白馬鑓ヶ岳山頂(15:05)-天狗山荘(16:00)